直島瀬戸内国際芸術祭に行ってきました。(記:オシオ)

わたしたちが生きている世界は言語で包囲されている。言語は概念であるから、他との区別があり、差異がある。区別・差異がなければ言葉は曖昧で意味不明な???となる。資本主義社会はお金とモノ(商品)の世界である。お金はカウントできるもの、量の世界にある、モノ(商品)は他のものとの差異ゆえに他と区別されるが、それは量の多さによって区別され価値の大小で序列のついている世界である。A商品が千円で、B商品が1万円であれば、B商品の貨幣価値はA商品の貨幣価値の10倍である、と普遍的に説明され、これがこの世界での根本的な了解事項となっている。わたしたちの住んでいる世界、即、言葉と数字で量化された世界と言い換えることができる。

 

直島はこの世界にない。???または!!!、あるいはその混合世界である。???とは区別がついていない、差異のない世界のことである。これは何?と言うしかない定義されていない世界のこと。!!!これは驚いて言葉を失っている状態。例えば瀬戸内海に突き出た突堤の尖端に置かれた黒い斑点のまぶされた巨大な黄色いカボチャ。これは何???そして!!!。直島港にはもっと大きな赤のカボチャ。この島にはそのような???と!!!が充満している。混沌、曖昧、意味不明世界、それは言語世界からの逸脱であり、量に還元できない、カウントできない世界、異質なものにみちみちた世界、あなたが感じた???とわたしの感じた???は当然違ってくる。それでいいのだ、何を感じてもよい、とりあえず寄り添い参照すべきデフォルト・典型的・無難な意見などない。いっぺんは行って????と!!!!をいっぱい感じみてはどうでしょうか。デフォルトを作り上げ量をかせぐのを目標にしている21世紀初頭の資本主義世界とは全く違う世界。そういえば熊野もそういう世界。