市販の文芸誌のように厚みを増し、表紙や目次のデザインには本職が手腕を発揮し、原稿書式にも統一性を持たせて書籍として全体的な品質の高まりを感じさせる一冊に仕上がっています。2005年夏発行。
中上健次の未発表発言「日本文化と新宮文化」を巻頭に掲載。ここでしか読めません。いとうせいこうさん、モブ・ノリオさんといった著名な作家の方にもご寄稿頂きました。台湾出身で中国圏では有名な作家であるロアン・チンユエさんの 、初の日本語翻訳小説も掲載されています。翻訳した橋本恭子さんの解説付きです。グッときますよ。
【未発表発言】 | |
日本文化と新宮文化 | 中上健次 |
解説・解題にかえて | 辻本雄一 |
【エッセイ】 | |
”漁労民”と呼ばれて | いとうせいこう |
再び、中上健次へ | 唐澤るみ子 |
熊野の光と闇に向けて | 松本巌 |
熊野大学俳句部のあゆみ | 西嶋潮香 |
中上健次読書会の顛末 | 上條聡 |
わたしの言葉 | 大北全俊 |
熊野紀行 | 富田陽一郎 |
ケベックの中上健次 | 鈴木健幸 |
【小説】 | |
會満足(ツェンマンツー) | ロアン・チンユエ |
解説・2005年の「會満足」 | 橋本恭子 |
市町村合併協議会 | モブ・ノリオ |
月子 | 芝町子 |
冬の縁側 | 東輝彦 |
バスタオル | 岩藤バロン |
暖流 | 内藤岳志 |
鳩アカデミーへの手紙 | 萩田洋文 |
願の糸 | 小田桐優子 |
青い猫 | 川村実 |
フォトグラフ | 篠原見裕稀 |
頼むで | 勝浦雄人 |
【論】 | |
言葉と身体 | 髙屋敷真人 |
地の果てからの手紙 | 佐藤康智 |
「マルクスその可能性の中心」への自注 | 仙道秀雄 |
「地の果て至上の時」の歴史性と逆説 | 石川博之 |
青い光 | 飛騨五郎 |
平安末と戦後近代の文学の交響 | 鈴木泰恵 |
イベントファックス(自筆) | 中上健次 |
熊野神璽・熊野大学/ 幻の24時間イベント |
大内清司 |