夏らしくすっきり青々とした表紙に仕上がりました。2006年7月発行。
中上健次の生誕60周年を記念して、瀬戸内寂聴さん,勝目梓さん,宮尾登美子さん,北方謙三さん,立松和平さんといった、生前の中上健次と所縁の深かった作家の方々からご寄稿を頂きました。
中上健次の最後の小説「青い朝顔」が掲載されています。表紙と好対照ですね。また、中上健次が講師を務めた熊野大学講座での講義のうち、「二つの後宮サロン」と「栄枯盛衰」の記録テープが今回新たに発見され、その経緯の報告とともに活字化されました。貴重な資料です。
【特別寄稿】 | |
死後も続く存在感 | 瀬戸内寂聴 |
同人誌時代 | 勝目梓 |
牢固とした力強さと優しさ | 宮尾登美子 |
中上の時代 | 北方謙三 |
中上健次、初対面から | 立松和平 |
青い朝顔 | 中上健次 |
小説「尼僧とその周辺」 | 青山真治 |
生誕60年? | 紀和鏡 |
ナッサな人々 | 渡部直己 |
トンガ?トンガ!トンガ。 | 高澤秀次 |
故郷について | いとうせいこう |
あっけらかんと | 中上紀 |
千年の雨 | 唐澤るみ子 |
熊野大学講座・2本のテープ新発見と その頃の報告 |
辻本雄一 |
二つの後宮サロン(講義) | 中上健次 |
栄枯盛衰(講義) | 中上健次 |
【エッセイ】 | |
眼を醒ませと呼ぶ声が聞こえ | 上條聡 |
『血族の海』から私の「熊野学」へ | 北野辰二 |
終わりなき熊野大学のために | 沖本真也 |
熊野に刺される | 岡本知之 |
果てから果てへ | ハックル・バロン |
中上健次という映写機 | 東輝彦 |
【小説】 | |
輪唱(DUB) | 萩田洋文 |
虫 | 仙田学 |
ソット・ヴォーチェ 声を和らげひそやかに | 芝町子 |
犬どもの午後21時 | 金城真弘 |
青い光2 | 飛騨五郎 |
カベニエガク | 荒川和重 |
【論】 | |
中上健次と藤原氏 | 佐藤康智 |
文学における「内面」と「王」について | 鈴木泰恵 |
「マルクスとその可能性」への自注(2) | 仙道秀雄 |
自由について:中上健次のアイロニー | 髙屋敷真人 |